どれだけしても満たされない。
Prologue
これはある吸血鬼と女の子のお話。
あるところに三つ子の兄弟と、1人の女の子がいました。
家も近所で、同い年だった4人は、とても仲がよくいつも一緒にいました。
彼ら3人にとって女の子はお姫さまのような存在であり、好きな子でもありました。
ですが3人は女の子が知らない、気づいていない秘密を持っていました。
太陽を嫌い、朝に眠り、夜に起き出す。
そして、人間の血を求める吸血鬼であること。
けれど3人にとって人間の血は、口にできないほどおいしくないもの。
でもただ1人、お姫さまの血だけは違ったのです。
心が、全身が、満たされていくような甘さ。
何度も求めて、丸ごとほしくなるようなやみつきさ。
今までなんとか人間の血を飲まずに生きてきた彼らにとってお姫さまは、心の底から愛おしく、その血の一滴までもを自分のものにしたい存在。
そんな彼らとお姫さまが再会したとき。
飢えた彼らの吸血衝動は。
そして、お姫さまと結ばれるのは、彼ら3人のうち……?
それとも……。
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「ニュースです。
今日も感染者が増える模様です」
この世界には
インフルエンザといったウイルスならぬ
【ラブウイルス】
が存在する。
彼氏彼女がいない高校生だけに発症するそれは、
①感染者(rosa:ロサ)は感染してから最初に目が合った対象者(albus:アルブス)(異性に限る)を容赦なく溺愛したくなる
②感染した証拠に、手首にハート(ピンク)のアザができる
ウイルスが生まれた原因、感染経路も不明。
唯一明らかになっている予防法といえば
【彼氏彼女をつくる】こと
だし、もし感染した場合
【両想いになった相手と口づけを交わす】
以外、完治する方法がない。
だけど。
ロサは盲愛になってしまうため、アルブスは四六時中生活を共にするのが決まりで。
ロサの深すぎる愛に充てられたアルブスは、時々ヒート(高熱)を起こす、らしい。
「まあ、なるようになるでしょ!」
なんて、世界の一大事を楽観的に考えていた私
三澄(みすみ)ほたる、16歳。
「はじめまして、モデルをしている槐 御影(えんじゅ みかげ)と言います」
「う、そ……」
世の女子をブイブイ言わせてる、通称、冷血プリンス&私の推し
「急で申し訳ないんだけど」
「はい?」
「好き。めちゃくちゃに愛していい?」
の対象者になってしまいました……。
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
女嫌いの冷血プリンス(ロサ)
×
天真爛漫、推し一直線の女(アルブス)
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
交わらないはずのふたりが出会ってしまったとき
「このリボン、解いていい?」
堕ちていく。
ぐらぐら理性が揺れて
「熱い、よ……っ」
とろけるくらい甘く
ときに激しすぎる溺愛は
「大丈夫。俺がずっとそばにいるから。
ぐずぐずになるまで甘やかしてあげる」
────だから早く、俺を好きになって。
まるで、ひどい風邪を引いたときみたいに
熱く体を疼かせる。
*
「高校生の方々は、十分注意してください」
⚠︎恋のウイルス溺愛不可避
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心の声が聞こえる女子 × 心の声がうるさい男子
の関係が。
「形勢逆転ってことで、選んでくれる?」
「な、なにを……」
「俺にめちゃくちゃにされるか、
とろとろになるまで甘やかされるか」
「っ、バカ言わないで!」
拒否権は……。
「ないに決まってるだろ」
「反応しないで!」
なぜか逆転してしまったこの関係。
ふたりきりでも、そうでなくても。
「ぜんぶ聞こえてるよ。
腹筋やばいとか、キスするときの俺の色気がどうとか……」
「もっ、もう、やめてーーっ!!」
遥のいじわるがとまりません!!
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
心の声が聞こえなくなった彼女
橘 胡桃
×
心の声が聞こえるようになった彼氏
弓削 遥
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
「なにか心の中で言ってみて」
「りょーかい」
『……』
ほんっとになにも聞こえない……!!
「まじで形勢逆転だな。
とりあえず、我慢の限界だから口あけて」
「ちょっと黙って!?」
・* ✩ * ・* ✩ * ・*
普段はツンツンしてるのに。
一度深く口づけるだけで。
「もっ……はる、か」
「っ、かわいい」
目をとろんとさせて、甘い声を出すから。
「あー、もう無理」
好きとか愛してるとか。
そんなのぜんぶぐちゃぐちゃになって。
引きずられるままに。
どこまでもどこまでも胡桃に堕ちていく。
「もう、キスだけじゃ足んない」
すべてが、ほしい。
・* ✩ * ・* ✩ * ・*
「桃華、俺。
ずっと桃華のこと、」
「杏、あたしね……」
そしてふたりの関係にも変化が……?
*
2022.8.25発売
『ある日突然、イケメン幼なじみの甘々な心の声が聞こえるようになりました。』原題『むり、とまんない。』の続編になります◎
本編を読まなくても楽しめるとは思いますが、読んでいただいたほうが倍楽しめるかと思います^^
たくさんのリクエストをありがとうございました!
Fin. 2022.11.8
2022.1.31
『第1回「いいね!」キャンペーン』のいいね獲得数トップ5に選んでいただきました!
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「心配させんなよ、まじで」
うるさいな。
分かってるよ、そんなこと。
『あー……弱ってる姿、やばいな』
やばいって、なにが。
『加虐心煽られるっていうか、
とりあえず、かわいすぎんだけど』
「……かわいい?」
「は?」
あ、やばい。
「え、なに……」
「こ、これは、その……」
中学の頃からずっと隠し通してきた秘密を。
「まさか、おまえ……」
*
【俺の心の声、聞こえんの?】
疎遠になっていた幼なじみに
バレちゃいました。
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
心の声が聞こえる
橘 胡桃
【Kurumi Tachibana】
×
心の声がうるさい
弓削 遥
【Haruka Yuge】
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
『あー、かわい。
こっち向いてくんないかな』
『やば、めちゃくちゃキスしたい。
今日、押し倒してもいいよな』
「だっ、だめに決まってるでしょ!?」
「俺、なんも言ってないけど?」
嫌われていると思っていた幼なじみは
秘密を知ったのをいいことに。
『胡桃にこっち見てほしかったから、わざといじわる言った。ごめんな?』
授業中にも関わらず、
甘い心の声で話しかけてくる。
×××
『はぁ、かわいい。
めちゃくちゃかわいい。もっとキスしたい』
「っ、ふぁ……ん、」
『すき。すきだよ、胡桃。
すっげえかわいい』
意識してない、無意識の声。
私にふれて理性を失った時の彼の声は。
「いっかい、休憩させて……っ」
「まだだーめ。
あと2回は付き合ってもらうから」
頭も、体も。
全身が震えるくらい、あますぎて。
「も、やぁ……っ」
「やだ、じゃなくて、
気持ちいいって言ってみよっか」
‧✧̣̇‧
いじわるな彼の溺愛はとまることをしらない。
\★/Special Thanks\★/
神山ゆり子様
夢乃 凛様
みるくぷりん様
ゆ 様
星川ゆき様
りんりん様
琉璃様
もちもちなこ様
素敵なレビューをありがとうございます!
2021.10.26〜2022.3.6
【続】『もう、キスだけじゃ足んない。』
2022.11.8 完結
2022.8.25 書籍化
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