僕は君に毎日恋をする
「西蓮寺様、おちらです」

ショップ店員が、二つのネックレスを持ってくる。
「羽衣の見てたのと同じデザインの、ペアネックレスにしちゃった!」

「綺麗だね……!」
「うん!
あの、つけて帰りますので!」

店員に言って、乃蒼は一つネックレスを取り羽衣の首につけた。
「うん!似合ってる!羽衣、綺麗!」
「ありがとう!」

「僕にもつけて?」
乃蒼が少し屈んで、羽衣も少し背伸びをして同じようにつけた。

「綺麗…」
羽衣が呟くと、乃蒼も嬉しそうに笑った。


その後、食事をして羽衣をコーポに送った乃蒼。

やっぱり、なかなか羽衣の手を離さない。
「離れたくないよ、羽衣」

羽衣が頭を撫でる。
すると、嬉しそうに笑う乃蒼。

(やっぱ、犬みたい(笑)
可愛い……!)
羽衣は、思わず笑みが出た。

「こんなの、初めて…」
「ん?」
「こんな穏やかで、温かい気持ちになったの初めて」

「………僕もだよ!」

「そうなの?」
「うん!
羽衣に対してみたいに離れたくないとか、好きすぎて苦しいとか、嫉妬とかしたことなかった。
今が楽しけりゃいいやって思ってた。
彼女が、僕以外の男と食事とか行っててもなんとも思わなかったし、僕も彼女以外の女の子と食事に行ったりしてた。
でも、羽衣は嫌なんだ。
僕以外の男と食事とか行ってほしくないし、僕も羽衣以外の女の子と食事とか行きたくない!」

「恋をすると、欲張りになっちゃうもんね(笑)」
「そうだね(笑)
羽衣の全部が欲しくなる……!」



「━━━━━━乃蒼、もうそろそろ…」
「うん…」

「乃蒼、手…」
しっかり握られた手を、羽衣も離せない。

「羽衣」
「ん?」
「キス、していい?」

「え/////」
(ま、また“あの”凄いキスするの!?)
「嫌?」

「う、ううん!嫌じゃなくて、その…////」
「チュッてだけにするから!」
「うん…」

乃蒼の顔が近づいて、口唇が重なった。
離れて、額をくっつけてきた乃蒼。

「羽衣」
「ん?」

「あのね…」
「うん」

「僕、羽衣と離れたくない」
「うん」

「だからね」
「うん」

「一緒に暮らさない?」
「………」

「……羽衣、聞いてる?」
「………え!?」

「やっぱ、ダメ?」
「あ、いや…急すぎるというか……」

「ダメだよね……退いたよね……」

「…………少し、考えさせて?」

羽衣の言葉に、乃蒼は少し切なく微笑んだ。
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