僕は君に毎日恋をする
「小宮山さん、帰ろ?」
「はい」
微笑み言った乃蒼に、羽衣も少し微笑む。

「羽衣ちゃん、またね~」
「あ、はい。さようなら」
高敏が手を振ってきて、羽衣も手を小さく手を振った。

「小宮山さん!早く!!」
羽衣の手を強引に掴み、引っ張った。


あの電話から、乃蒼と高敏は一言も口をきかなくなっていた。


「あ、あの!西蓮寺さん」
「ん?あ、ごめんね!無理矢理、引っ張って。
痛かった?」

一度手を離し、繋ぎ直した。

「里島さんと何かあったんですか?」
「ううん。ちょっとした喧嘩」

「そうですか……」
「気にしないで?
それよりも、何食べるー?」

「あ、実は予約してて……」
「え?そんなことまでしてくれたの?
ありがとう!」


店に着き、個室に通された。

「ここ、食材が無添加なんです!
味も素朴だけど、とっても美味しいんですよ!」
「へぇー!」

「私のお気に入りのお店なんです!」

嬉しい━━━━━━
お気に入りの店に連れてきてくれた!

乃蒼は、嫉妬心が薄れていくのを感じていた。

「━━━━━ん!美味しいね!」
「フフ…良かった!」
微笑み言うと、羽衣も微笑む。

とても、優しい時間が流れていた。


デザートのシャーベットが来て、食べていると……

「━━━━━西蓮寺さん」
「ん?」

「私……」
「うん。
…………ん?小宮山さん、震えてない?
え?え?大丈夫!?
デザートで身体冷やした!?」

乃蒼は慌てて、壁にかけていた自身のジャケットを取り羽衣の肩にかけた。

「違うんです!!」
「え?
………/////」
向き直った羽衣の顔が、少し赤く目が潤んでいた。
乃蒼も、思わず顔が赤くなる。

「………きです…」
「え?」

「私、西蓮寺さんが好きです!」

「━━━━━!!!?」
乃蒼を目が見開かれた。

「私を、西蓮寺さんの恋━━━━━━」
羽衣の言葉は、最後まで続かなかった。

それは既に乃蒼の腕の中にいて、きつく抱き締められていたから。


「うん!喜んで!!
僕も、小宮山さんが好き!!
小宮山さんの恋人になりたい!!」

その言葉を聞き、羽衣もゆっくり乃蒼の背中に腕を回した。

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