イケメンクラスメイトの推し愛が重い
「す、すみません、
ぶつかった時に何かありました…!?」
「…ぜぇ…ないわ!
……ぜぇ…あなたに、ぜぇ…話が…」
「……?」
なんだろう?と首を傾げたら
息を整えた女性が、パッとサングラスを外した。
「……あ!!」
「ふぅ…元気そうね」
「たわわ…!!」
「『たわわ』じゃなくて『田川』よ!!いや田川でもないけど!」
その女性は
私の知った顔だった。
「間違えた…
『結城ひな』、だったね」
「そうよ。やめてよね、本名で呼ぶの」
この人、『結城ひな』は
私が落ちたオーディションで合格した、今をときめくアイドル。
もちろんあのオーディションで受かってるってことは、大手のアイドル事務所所属で
私とは大違いの有名人。