イケメンクラスメイトの推し愛が重い



たわわが小さな紙を渡してきた。




「わたしの連絡先よ。
もしその気があれば連絡しなさい。
あなた、やりそうだから言うけど、
悪用しないでよね」




『フリじゃないからね!!』と言って、私の手に強引に紙を握らせる。



……人気急上昇中のアイドルの連絡先。たしかに悪用し放題かも。


けど、『やりそう』って失礼だな。私そこまで腐ってませんけど。




「……私は…もうステージに立つつもりはないです。
だからこれは…」




いらないって、返そうとしたら。




「いらなかったら相方にあげて。
わたしの言ったこと、相方にも伝えておいて」


「え…」


「相方の方は、きっとまたステージに立ちたがってると思うから」




一方的に言って、じゃあね、と彼女はお祭り会場から離れていった。




「………」




……これ、茉美に伝えよう。


茉美は喜ぶだろうな。



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