イケメンクラスメイトの推し愛が重い
茉美さんだけが呼んでる、特別な呼び方。
……俺もそう呼んだら、
金沢さんよりしほみさんに近付ける?
「直くん、綿菓子食べる?」
俺の考え事なんて気にもしてない茉美さんは、袋に詰められた綿菓子を俺に差し出してくる。
「あ…いや、俺は」
「食べよ!ね!」
……強引だな;
しほみさんは…
『食べれる食べれないじゃなくて、
好きか嫌いか!!』
ちょっと強引なとこもあるけど、俺の意見を聞いてくれた。
本人は気にしてないのかもしれないけど…
そういう気をつかえるとこも好き。
「……綿菓子、あんまり好きじゃないので」
「…あ……そうなんだ」
わかりやすくしゅん、と肩を落とす茉美さん。
……そういう顔されると、断った俺が悪いみたいだ。
『じゃあ綿菓子は私の分だけ買ってくる』
……しほみさんは、こういう空気にならないようにしてくれた。
冷たい態度だったけど、彼女は優しい人だと思う。