イケメンクラスメイトの推し愛が重い
心の中で中指を立ててたら、
まだそこにいた梅森くんが、「あの」って声をかけてきた。
「……同じクラスの、椿さんだよな?」
「はい」
「気のせいかと思ったけど、アイツの言い方でやっぱそうなんだと思って。
……ごめんな。気分悪かったよな」
さっきの男の代わりに、謝ってくれる梅森くん。
…いやいや!なぜあなたが謝るの?
梅森くんは悪くないのに。
「全然、気にしてないから大丈夫です」
すっごい気にしてるけど、気にしてる感じ出したら梅森くんに申し訳なくなる。
「あ、それと、
『チート剣士の大冒険』って漫画の新刊、ある?」
「あ、それならこっちに…」
梅森くんに聞かれて、漫画のコーナーに向かう。
目当てのものを持って梅森くんのところに戻って、『これかな?』って見せた。
「あ、そう、これ。
アイツ、新刊コーナーになかったって言ってたけど、どこにあったの?」
「もう新刊コーナーから移動させてたの。
発売、1ヶ月以上前だし」
「アイツが探してねーだけじゃん…。
……ごめんな、さっきアイツが、目当てのものねーとか言って」