イケメンクラスメイトの推し愛が重い
お祭り会場で結城ひなに会ったこと、
もう一度ステージに立つチャンスを、彼女がくれると言ったこと
茉美に説明したら、
つまらなさそうな顔して、ベッドの上で寝転がりながら頬杖をついた。
「いいよね、成功してる人は。
底辺にもお情けかける余裕もあるってことか」
「……」
……意外だった。
茉美は、自分が底辺だなんて思ってないと思ってたし、
たわわの誘いに喜んで乗ると思ってたのに…。
「……茉美は、その誘いに乗る気はない?」
「うーん…あたしはいいかな。
志歩がやりたいならやるけど」
「……私も、別に…」
……私は
茉美は絶対『やりたい』って言うと思ってた。
そしたら、『私もやってあげてもいいよ』って言うつもりだった。
けど、茉美が『やらない』って言って
好都合のはずなのに
なんで少し、残念に思ってしまったんだろう。