イケメンクラスメイトの推し愛が重い



私は今の生活を楽だとは思ってない。もちろんアイドル時代よりはまだ楽だとは思うけど…


私……茉美と違う。



レッスンを楽しいと思ったこと、一度もない。




「……そっか、私はまず土俵にすら立ててなかったんだ」


「え、なに?」


「……」




たわわが言ってた、“私に足りなかったもの”。


なんとなく、わかった気がした。




「……たわわには、私から断りを入れておくよ」


「志歩はそれでいいの?」


「……え?」


「なんか、納得してなさそうに見えるけど」




バカで能天気のくせに


だけど時々、めちゃくちゃ鋭い。




「……そんなことないって。
疲れたし、休ませて」




私はずっと、茉美にすべてを見透かされるのが



怖かったのかもしれない。




< 153 / 257 >

この作品をシェア

pagetop