イケメンクラスメイトの推し愛が重い
私は今の生活を楽だとは思ってない。もちろんアイドル時代よりはまだ楽だとは思うけど…
私……茉美と違う。
レッスンを楽しいと思ったこと、一度もない。
「……そっか、私はまず土俵にすら立ててなかったんだ」
「え、なに?」
「……」
たわわが言ってた、“私に足りなかったもの”。
なんとなく、わかった気がした。
「……たわわには、私から断りを入れておくよ」
「志歩はそれでいいの?」
「……え?」
「なんか、納得してなさそうに見えるけど」
バカで能天気のくせに
だけど時々、めちゃくちゃ鋭い。
「……そんなことないって。
疲れたし、休ませて」
私はずっと、茉美にすべてを見透かされるのが
怖かったのかもしれない。