イケメンクラスメイトの推し愛が重い



顔見られたらダメだ。




「うめ……直くんは?」


「慣れない場所で眠れなくて」


「……私も、似たようなものかな」




スッピンの顔はさすがに


志歩だってバレる。


目、合わせないようにしよう。




「……しほみさん。
今日は、ごめんなさい」


「……」


「デートの時、勝手なことを言いました。
どんな道も応援するって、そんなこと言って欲しかったわけじゃないんですよね。
ファン目線でどうしてほしいか、しほみさんの求めた答えを出せませんでした」


「……別に、いいよ。
ファンにそんなこと求める方が間違ってた」




どうしたらいい?なんて、


自分で決めなきゃ、納得しないくせにね。




「梅森くんにどんな答えを返されてても、
私は結局、どっちを選べばいいか悩んでたと思うし」


「……どうするか決めたんですか?」


「……んー…わかんない。
やりたいとかやりたくないとかの気持ちの前に、“やる覚悟”がないからさ。
……だったらやらないって選択じゃんって感じなんだけど…」


「………やっぱり、未練あるんですか?」


「……未練っていうか。
せめて、最高のステージを1回くらいは味わいたかったなぁって。
……たぶん、そんな気持ちのせいで迷ってる」



< 155 / 257 >

この作品をシェア

pagetop