イケメンクラスメイトの推し愛が重い
梅森くんの横で、洗い終わるのを待っていたら
「あ、いいっすよ、部屋戻ってて。
夜は少し寒いですし」
「……洗い物させていなくなるのは申し訳ないので」
目は合わせないまま静かに待って、
少ししたら、水の流れる音が止まった。
「えっと…布巾どこだろう」
「そのまま置いといても金沢さん怒らないと思うけど…」
「そうは言っても他人の家だし。
俺は今日、急に誘われただけで
“友達”でもないわけだし、めちゃくちゃ気ぃ遣いますよ」
私でさえ居心地は良くないし、
梅森くんはもっと居づらかっただろうな…。
「……断ればよかったのに」
「『来なければよかった』とは、1ミリも思ってません。
しほみさんと会えたので」
私に会えるのなら
気まずいとかそういうの、全部どうでもいいってか。