イケメンクラスメイトの推し愛が重い
駆け寄ってきた彼は私の前まで来ると、
結城ひなの方を見て「あ」と声を漏らした。
「……あのときの…」
「……あら?
誰かと思えば、しほみと一緒にいた男の子じゃない」
「……ども。
……っていうか、なんで人気アイドルがこんなとこいるんすか?」
あ、そういえばそうだ。
なんで結城ひながうちの学校の職員室から出てきたんだ?
「わたし、この学校の卒業生なの。
それで、春の北高祭でライブの依頼をされてね」
「ライブ!?」
結城ひなが
うちの学校でライブするの!?
「う…売れっ子なんだし、
断りますよね…?」
「どうして?わたしは受けるわよ。
わたしは高校生でデビューしたけど、それでも高校に通えたのは学校側のサポートのおかげだし、恩があるもの。
断る理由もないわ」
「……」
「……あ、そうだ。
キミにお願いしたいことがあるの」