イケメンクラスメイトの推し愛が重い



駆け寄ってきた彼は私の前まで来ると、


結城ひなの方を見て「あ」と声を漏らした。




「……あのときの…」


「……あら?
誰かと思えば、しほみと一緒にいた男の子じゃない」


「……ども。
……っていうか、なんで人気アイドルがこんなとこいるんすか?」




あ、そういえばそうだ。


なんで結城ひながうちの学校の職員室から出てきたんだ?




「わたし、この学校の卒業生なの。
それで、春の北高祭でライブの依頼をされてね」


「ライブ!?」




結城ひなが


うちの学校でライブするの!?




「う…売れっ子なんだし、
断りますよね…?」


「どうして?わたしは受けるわよ。
わたしは高校生でデビューしたけど、それでも高校に通えたのは学校側のサポートのおかげだし、恩があるもの。
断る理由もないわ」


「……」


「……あ、そうだ。
キミにお願いしたいことがあるの」




< 181 / 257 >

この作品をシェア

pagetop