イケメンクラスメイトの推し愛が重い
あんな過去
消えてなくなればいいと思うくらいには。
「梅森くんがMi☆Miのこと語るたび、
私はもっとMi☆Miのことが嫌いになる」
「……椿さん」
「……梅森くんのことも、嫌いになる」
ポツリと、聞こえるかわからないくらいの声量で呟く。
梅森くんは何か考えごとをしてるのか、一点を見つめながら
ハァ…と息を吐いて立ち上がった。
「……俺のこと嫌いでもいいよ。
けど、俺だって
逃げてばっかりのしほみさんは嫌いだから」
梅森くんがカバンを持って教室を出ていく。
バタン、とドアの閉まる音が、やけに大きく響いた。
……梅森くんに『嫌い』って言われた。
私がしほみだって知らないはずで、
しほみのことを言ってたはずなのに
「……っ」
志歩に言われた気がして、涙が出そうになった。