イケメンクラスメイトの推し愛が重い
本屋にも来ない。
挨拶もしない。
目も合わない。いや、正確に言うと、たまに目は合うけどすぐ逸らされる。
Mi☆Miという繋がりがなければ、梅森くんとは本来このくらいの関係だったわけで…。
この状況を、『悲しい』と思う方が間違ってる。
「ヤンキー女、おまえ暇だろ。
この色と同じ色作れ」
「……えっ」
梅森くんとは別の班で看板の色塗りをしていたら
梅森くんのお友達がパレット片手にそう言ってきた。
……暇じゃないんですけど。見てわかんないかな。
「私、こっちの作業あるから」
「はぁ?おまえチンタラやりすぎだろ。
んな丁寧に塗らなくても、他のやつみたいにパパッと雑にやりゃいいだろ。ヤンキーのくせにマジメかっつの」
「……ヤンキーじゃないですし」
与えられた仕事を雑にやる方がおかしい。なんでそっちに合わせる必要があるのか。
それで暇人になってもらおうってか。本当にこの男はどこまでも私と相容れない。