イケメンクラスメイトの推し愛が重い
*
『やっと連絡してきたわね』
夜。
自室で正座し、ドキドキしながら結城ひなに電話をかけたら
開口一番そう言われた。
「……今まで用はなかったので」
『今かけてきたのは用があるって事なんでしょ?
早く用件を言ったら?』
「………あの、
もう一度、ステージの上に立つチャンスって話…なんですけど」
『うん、それが?』
「……やりたいって言っても、今更でしょうか…」
小さい声で呟くと、
結城ひなが『遅い!』ってめっちゃ大きい声で返してきた。
「す…すいません…」
『ま、遅いけど、
今さら言われても何もできないってことはないわ。
ギリギリよ』
「ギリギリ…?」
『あなたに用意できるステージ、
もう少しでなくなるところだったわ』