イケメンクラスメイトの推し愛が重い
会話に混ざってない私ですら気になってきたし…。
「でも、その香水好き嫌い別れそう〜。
だいぶ甘い匂いだよねぇ」
「……やっぱ、嫌いな人は嫌いだよな、これ。
俺もそんなに好きじゃなくて」
「じゃあつけなくてもいいじゃん」
「や…でも、
好きな人の好きな匂いだから…俺も好きにならないと」
『えーそんな気にする?』と女の子が梅森くんに言う。
うん。盗み聞きしてごめんだけど、
私も、わざわざ無理して好きになる必要は無いと思う。
「……これを好きになれなかったら、
繋がりが消えちゃう気がして」
「え…遠距離なの?」
「……まぁ、そんなとこ…」
煮え切らない返事をした梅森くんは
『やっぱりちょっと匂い落としてくる』って言って教室を出て行った。