イケメンクラスメイトの推し愛が重い



「志歩の笑顔がみんなを笑顔にしたんだよ。
あたしでも思った。
『最高のステージだった』って」




うん。


歌い終わった後の、みんなの顔…。


今までお客さんの顔なんて、見てこなかったけど


あんなに楽しそうな顔をしてたんだ。



ううん。今日の、あのステージだから、あんなに笑顔が生まれたんだ。


私も思うよ。


『最高のステージだった』って。




「……とりあえずあたしの話は終わり。
志歩、さっきからずっと、行きたいとこあるんでしょ?」


「茉美って、やっぱり鋭いよね」


「まぁね。

……あ。
やっぱ、行かなくても良さそうだよ」




パタパタと廊下から足音がして。


ガラガラ、と控えめに開けられたドアの向こうには




「はぁ…はぁ…」




息を切らした梅森くんがいて、


逸らすことなく、真っ直ぐに私を見ていた。




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