イケメンクラスメイトの推し愛が重い
「でもぉ…」
「本当にいいですってば」
失くしてくれた方が在庫が消えてありがたいよ。
……なんて言えない。悲しくなるわ。
「ほら早く行きましょう。
午前の人があがれなくて困っちゃいますよ」
こんなところで話してる場合じゃないので、
この話題を終わらせるように、声をかけてロッカールームを出た。
いつも通り、品出ししたりレジ打ちしてたりしてたら
「あ、椿さん」
「梅森くん」
梅森くんがやって来て、「こんにちは」と会釈した。
「……大変そうだな」
「え、これ?」
レジの隣の山積みになった段ボールを見ながら、梅森くんが呟いた。
「力仕事じゃない?
昨日も、雑誌のとこまで運んでたし」
「重すぎたらさすがに台車使うから大丈夫です」