イケメンクラスメイトの推し愛が重い
フラッとする頭を押さえ、小さな声で「知ってるよ…」と呟いた。
「知ってるの!?
あ、じゃあ…今何してるとかも、知ってたりする!?」
「え…」
や、片割れは今あなたの目の前にいます。本屋の店員やってます。
って、言えるわけない。
今さら、過去の栄光 (栄光なんてなかった気もするが)にすがるつもりはない。
「……し、知らないなぁ。
私じゃなくて、友達が知ってただけで…。
やめちゃったとは、噂で聞いたけど…」
「……やっぱ、知らないよな。
やめたって言っても元アイドルだしな…
簡単に会えるわけねーよな…」
「…そ、そうかもネ…」
会ってるんですけどね。おまけにクラスメイトですけどね。
いや、梅森くんが会いたいのは私じゃなくて、茉美かもしれない。
……茉美も見た目ヤンキーだからなぁ…。たぶん会ってもわかんないと思う。