イケメンクラスメイトの推し愛が重い



サッと顔が青ざめていく私を見て、なんとなく私の考えを読み取ったのか、


金沢さんは『ふはっ!』と笑った。




「べつに深い意味はないよ。
アイドルしてた茉美と志歩ちゃんを見て、自分も頑張りたいと思ったからしてるだけ」


「……」




……頑張りたい、なんて、


売れてもなかったのに、そんなふうに思われる資格あるのかな。




「……あ…ありがとう」




でも、嘘でもそう言ってもらえることは嬉しい。




「お礼言うのはこっちだから。
志歩ちゃんのおかげだよ」


「いや、私は何も……」


「あ、着いたよ」




金沢さんが指差す方を見ると、


普通の、でもちょっとだけオシャレなアパート。




「高層マンションとかかと思った…」


「心の声出てますけど」




クスクスと笑う金沢さんに付いて、私と茉美はアパートの階段を上った。




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