イケメンクラスメイトの推し愛が重い



「それ、この世で一番信用できない言葉です」




ハハ、と笑ってそう言ったら


金沢さんは困ったように『ごめん』って謝った。




「でも、
おれは茉美の隣にいたのが志歩ちゃんで、
志歩ちゃんに会えて、よかったと思ってる」


「……」


「そう思ってるファンの人、おれ以外にもいたと思うよ」




ファン…か。



『たった一つの、大事なものなんだ』



あんなボールペン1つ、大事にしてた梅森くん。


応援してくれてたのに、『追いかけても無駄』なんて、ちょっと可哀想だったかも。




「おーい、旭も志歩もなにしてんの?
早くしないとなくなるよ!」


「はぁ?おまえら…本当にさぁ…」




部屋の奥から顔を覗かせた茉美に、金沢さんははぁ〜〜…と特大のため息を吐いた。



……食材、全部金沢さん持ちって言ってたもんね。


金沢さんの苦労がなんとなくわかるよ…。



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