イケメンクラスメイトの推し愛が重い
*4.追いかけても
「ごちそうさまでした」
「ごめんね、アイツら結構食べてたからあんまり残んなくて…」
「いえ。美味しかったです」
茉美に呼ばれてから鍋パに参加したけど、
すでにシメに入ろうとしてて。
シメのうどんを少し食べるだけになってしまった。
そりゃ、長話してた私が悪いんだけど、
誘うならちょっとくらい遠慮せんかい。
「家まで送るよ」
「大丈夫です。
あんまり私の活動範囲、知られたくないので」
茉美に近辺うろつかれるのも困る。学校に来られるだけでも困ってるのに。
「気をつけて帰るんだよ」
玄関で靴を履く私に、そう言ってくる金沢さん。
『おとうさんかよ』って心の中で思いながら、
一人だけ見送りに来てくれたことに、
見た目ヤンキーだけど、この人は律儀で真面目な人だなって思った。