イケメンクラスメイトの推し愛が重い
*
「ありがとうございましたー」
茉美のことを気にしてる暇もなく、今日もバイト。
「お客さんいなくなったし、
店閉める準備しよっか」
「はい」
そろそろ閉店の時間になる。
レジ締めに入ろうとしたところで。
「いらっしゃいませー」
閉店間際にお客様が来店。
でもレジは複数あるから、1つは締めちゃおうと作業を続けようとしたら。
「あ……すいません、閉店作業中に」
「いえ……あ」
お客さんが声をかけてきて、
それが、困ったように笑う金沢さんだったから、
とりあえず『どうも』と会釈をした。
「カバーかけてもらっていいですか?」
「……はい」
レジに文庫本を持ってきた金沢さん。
……そっか。金沢さんの家、ここから近かったもんね。
普通に、本屋を利用しに来ただけ?
……てっきり、茉美のことでも話に来たのかと思っ…
「志歩ちゃん、
バイト終わったら、少し話していい?」
………あ。やっぱり茉美のことかも。