イケメンクラスメイトの推し愛が重い
「気のせいだって」
「あたしも馴れ馴れしく呼んじゃおっかなぁ。『直くん♡』って」
「はぁ…」
緊張する〜って言ってたのはどこの誰だか…。
馴れ馴れしい方が茉美らしいけど。
「よーしメイク終わり!」
そう言って立ち上がって、メイク道具を片付ける茉美。
鏡に映った茉美は
……あんまり変わってない?
「え、薄くない?」
言うほど“まみたそ”じゃないよ?
「おうよ!
今から泳ぐためにメイク薄めにした!」
「泳ぐって…」
部屋の窓から外を見る。
この金沢さんちの別荘からは海が見えて、海水浴場も近い…けど。
「金沢さんが海はまだ冷たいから無理だって、来る時言ってたよ」
夏休みに来るとちょうどいいけどねって言ってたの、
人の話聞かない茉美と違って私はちゃんと聞いてましたよ。
「海には行かないよ。
この家プールあるし」
「プール!?」
「旭も待ってると思う〜」
「は!?
待ってるって…」
「水着準備してるってこと♪」