受け取って、先生
学校中を探し回って
いた!! 湊先生!!
音楽室のピアノに寄りかかっている!!
「みなと先生!!」
「桜井か。毎年毎年、懲りない奴だな」
「その執念、勉強に回せよ」と八重歯を光らせながら笑った先生を見て、私は固まってしまった。
今年は瞬殺じゃない!
会話してるよぉ~
奇跡だよぉ~
「桜井からのプレゼントは受け取れないぞ」
「わかってます」
ただ、後悔はしたくなくて……
「中身は食べ物?」
「違います」
「じゃあ、なに?」
「タオルですけど……」
「それなら、オマエが卒業したらもう一度渡しに来い」
「えっ?」
「俺に一途な桜井ごと受け取って、一生大事にしてやるから」
☆受け取って、先生☆
――END――