【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
翌日、私たちは大型のホームセンターに買い物へと出かけた。
車は泰裕さんが出してくれて、ホームセンターのある場所まで三十分ほど運転してくれた。
ホームセンターの敷地内にはスーパーも併設されていたり、フードコートがあったりと、色々と充実しているため、なんでも揃いそうな雰囲気がある。
「広い所だな」
「そう、ですね。広すぎて迷子になってしまいそうです」
そう言った私に、泰裕さんは「迷子にならないように気を付けてくれよ」と言っている。
「わ、分かってます!」
「もし迷子になったら、インフォメーションに行ってアナウンスしてもらうけどな」
冗談なのかそうでないのか分からない言葉を聞いて、私は「き、気を付けます……!」と言った。
さすがに迷子のアナウンスは困る……!
「よし、まずは何を買うんだ?」
「あ、えっと……」
カバンから買い物リストの書かれた紙を取り出した私は、「まずはトイレットペーパーと、洗濯洗剤の詰め替えです」と伝える。
「トイレットペーパーならそこにあるな」
「はい」
カートを押してくれる泰裕さんは、相変わらず何を考えているのか分からない人だ。
本当に、冷酷な目をしている。
「あと、洗濯洗剤です」