【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
第三章 苦しみの先に
愛の言葉の意味
そして迎えた週末、私と泰裕さんは泰裕さんの運転でキャンプ場へと向かっていた。
「今日、晴れて良かったな」
「はい」
泰裕さんも友人と会うということで、少しだけ嬉しそうにも見える。
「友人も、楽しみにしてる」
「え……?」
「お前と会うの、楽しみにしてる」
泰裕さんの口からそんな言葉が出た私は、ビックリして「あ……そうですか」としか答えられなかった。
「お前のこと話したら、早く会いたいってうるさくてさ」
「……え?」
私のこと……なんて話したの? き、気になって仕方ない……。
「いや、お前のこと聞かれたから。どんな人だって言うから、可愛らしい人だって言っておいた」
「あっ……そう、ですか」
可愛らしい人……? 私が?
「可愛らしい人だって言うのは、間違いないと思うけど」
「え……?」
「お前、まあまあ可愛いだろ?」
ま、まあまあ……。嬉しいような、嬉しくないような……。
ちょっと中途半端すぎて、どう反応したらいいのか分からない。
「まあまあ……ですか」
「まあ、悪くないと思うけど」
「……あのそれ、褒められてます?」
そう聞こえるような、そうじゃないような……。