【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
「花純、カレー作るの手伝ってくれるか?」
「はい」
キャンプが始まって間もなく二時間が経過する。 私は二人の話に全く入れず、孤立していた。
二人はとても楽しそうだった。本当に親友なんだと思えて、羨ましくもなる。
「ごめんね、花純ちゃん。俺たちばっかり話しちゃって」
人参の皮を向いていると、悠一さんが私にそう話かけてくる。
「あ、いえ……そんな」
私は本当に着いてきても良かったのだろうか……。着いてこないほうが、良かったかもしれない。
「二人って、恋愛結婚なの?」
悠一さんの鋭い視線に、私は思わず身体が震えた。
「……え?」
な、なんでそんなこと……!
「まさか、お見合いとか?」
「……まあ、そんな所、ですかね」
政略結婚だなんて、そんなこと言えない。絶対に、言えない。
「そっか、お見合いなんだ。 今時あるんだね、お見合い結婚なんて」
「はい……まあ」
泰裕さんは、なんて言ってるんだろう?私のこと。
「花純ちゃんは、泰裕のどこが好きなの?」
「えっ!?」
いきなりそんなことを言われた私は、驚いて思わず人参をシンクに落としてしまった。
「あっ、ごめんなさい!」