【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
慌てて人参を拾って再び洗う私に、悠一さんは「そんなに驚くことだった?」と聞いてくる。
「いえ、あの……」
な、なんて言えばいいんだろう?
「アイツのこと好きになるなんて、花純ちゃんは変わってるなって思ってさ」
「え? 変わってる……?」
それ、どういう意味なんだろう……?
「アイツ、無愛想でしょ? しかもミステリアスだし」
その悠一さんの言葉に、私は「まあ……そうですね」と答える。
「不安になったりしない?アイツと一緒にいて」
「……え?」
やっぱり悠一さんはよく、泰裕さんのことを分かっている。
「アイツ、口下手だからさ。許してやってね」
「……はい」
悠一さんがお水を汲みに行ってる間、私と悠一さんはカレー作りを進めていく。
「あの、カレールーどこですか?」
「あ、そこの箱の中にあるよ」
「ありがとうございます」
カレールーを入れて溶かしていると、泰裕さんが戻ってくる。
「お、いいニオイするな」
「もう出来ますよ」
カレーが仕上がると、お皿に盛り付けていく。
「泰裕さん、カレー出来ましたよ」
「おう。分かった」
「美味そうだね」
「はい。美味しそうです」