【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
冷酷な言葉
三人で出来たてのカレーを食べると、すごく美味しかった。
「ん、美味しい」
「美味いな」
「美味いね」
そんな私に、悠一さんは「お前は毎日、奥さんのこんなに美味い料理食ってるのか。羨ましいな」と言っている。
「そうだろ? 花純は料理上手なんだよ。何食べても美味いんだ」
え……。まさか泰裕さんが、そんな風に褒めてくれるなんて……。
ちょっと信じられない……。まさか、その言葉も本当は思ってない……とか?
「いいね、幸せそうで」
「……まあな」
えっと、さっきの間は何なのだろう……?
「こんなに可愛い奥さんがいるんだから、もっと大事にしてやれよ?泰裕」
「……分かってる」
泰裕さんは私と結婚して、幸せなのだろうか? 本当に、そう思ってくれているのだろうか?
私には、泰裕さんの考えていることが分からない。
「で、結婚生活はどうなのよ?お二人さん」
「どうって……。べつに普通だけど」
「普通?そこは幸せじゃねぇのか?」
泰裕さんは悠一さんと「うるせぇな。ガヤガヤ騒ぐな、お前は」と言っている。
「本当にお前は、うるさいヤツだな」
「だって聞きたいじゃん?お前の新婚生活」
「……はあ」