【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
悠一さんはきっと、泰裕さんのことが心配なんだなって思った。
口下手な泰裕さんのことを許してやってと言ったのも、きっと泰裕さんが素敵な人だと知っているからだろう。
だから泰裕さんのことを心配して、わざとそう言っているのかもしれないと、私は悟った。
「花純ちゃん、もしコイツに泣かされたらいつでも俺の所においでね? 保護してあげるから」
「ほ、保護……?」
キョトンとする私に、泰裕さんは「花純に余計なこと言うな、悠一」と咎めている。
「コイツに虐められたら、俺が守ってあげるよ。コイツの代わりにね」
「え……。あの……」
この言葉が本気なのか、それともそうじゃないのか。……私には判断が出来そうにない。
「悠一、安心しろ」
「ん?」
「コイツは俺が一生守るし、一生俺の妻だ。 妻を守るのは、夫である俺の努めだからな」
泰裕さんは私の肩を抱き寄せると、悠一さんにそう宣言した。
「え……?」
突然の宣言にビックリした私は、思わず泰裕さんの横顔を見つめてしまった。
「なんだ。ちゃんと愛してるんだ」
「……当たり前だろ」
え……? 今、愛してるって……?
「花純のこと、俺は絶対に手放さない」