【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。


「花純……お前は俺の妻だ。これからもずっと、お前の俺の妻だから」

「……いいんですか?」

「何言ってるんだ。 当たり前だろ」

 これからも泰裕さんの妻でいれるという嬉しさと、好きでいてもいいんだという思いが溢れて、ドキドキした。

「言っとくけどな。俺には……お前だけなんだからな」

「……私にも、あなただけです」

「当たり前だ。俺たちは、夫婦なんだから」

 私たちは仮面夫婦なんかじゃなかった。ちゃんと……夫婦だった。
 愛のない結婚をしても、それでも夫婦としてうまくやっていくつもりだった。
 だけど愛がないってだけで、夫婦が成立するのは思えなかった。きっとうまくはいかない、そう思っていた。

「これからはもっと、お前を大切にする。ちゃんとお前のことを見るようにする」

「泰裕……さん」

「花純が……もっと笑顔になれるように、俺もっと頑張るから。 だから、俺のそばから離れないでくれ」

 そんなこと……。

「はい。……分かりました」

「本当に、辛い思いさせてごめん。苦しい思い、させてごめん。……俺は夫として、最低だった」

「そんなことないです。あなたは、私に優しかったです。……私の方こそ、妻としてあなたを支えられなかった」
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