【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。


 泰裕さんと出会ったのは、今から三ヶ月前。

「お前が、前島花純か?」

 突然彼は、私の前に現れた。

「……そうですけど、あなたは?」

「俺は本郷泰裕だ」

「本郷……さん?」

 本郷さんと名乗る人は、私に「お前を助けてやろうか?」と言ってきたのだ。

「え……? 助ける?」

 それ、どういう意味……?

「父親の借金、返済してるんだろ? でも追いつかない」

「……なんで、それを……?」

 私は困惑した。なぜそのことを知ってるのか。

「ちょっとしたツテでな」

「ツテ……?」

「それで、お前にいい話を持ってきた」

 彼は私を隣に座らせると、私にミルクティーの小さいペットボトルを手渡してくる。

「あの、いい話って……?」

 私がそう問いかけると、彼は「お前の返してる借金、俺が全額返済してやるよ」と言ってくる。

「……え?」

 この人は何を言っているのだろうか? 
 そう思っていると、彼は再び私に「その代わり、君にお願いしたいことがある」と言い出す。

「お願い……したいこと?」

 今の状況を全く理解出来ない。 どういうことなのだろうか?
 この人は、何を言っているのだろうか……?

「俺と結婚してほしい」
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