【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
私は泰裕さんの手をぎゅっと握りしめると、泰裕さんを見つめる。
「泰裕さんと出会えたから、こんなに素敵な星が見れました」
「……確かに。今日は一段とキレイに見えるな」
「はい。 とてもキレイです」
こんなに素敵な星を見れるなんて、とても素敵だ。素敵な夜になりそうだ、今日は。
「花純と一緒に見る星は、格別だな」
「……嬉しいです」
特別感がある夜は好きだ。 想いが通じ合ったからこそ感じる特別な夜。
「……花純」
「はい?」
顔を上げて泰裕さんを見ると、泰裕さんは優しい声で「花純、お前が好きだ」と呟く。
「……泰裕、さん」
「お前をもう絶対に離さないから、覚悟しておけよ」
「……はい」
こんなに好きになってしまったら、私はもう後戻りは出来ないだろう。 誰かを愛するという素晴らしさを教えてくれたのは、確かに泰裕さんだから。
「花純……結婚指輪、後で買いに行かないとな」
「え……?」
「結婚指輪、買いに行こう。後で、一緒に」
結婚指輪というワードを聞いて、ビックリして思わず目を見開いてしまった。
「結婚……指輪?」
「必要だろ?結婚指輪」
その答えに、私は「はい。そうですね」と答えた。