【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
「じゃあ、後で買いに行こう」
「はい」
しばらく外で星を眺めていると、泰裕さんはテントにブランケットを取りに行き、私の肩にブランケットを掛けてくれた。
「寒いだろ? 掛けておけよ。風邪ひかないように」
私はブランケットを身体を包むと、「ありがとうございます」とお礼を伝えた。
「夜は冷える。暖かくしないとな」
「はい」
泰裕さんは焚き火でお湯を沸かすと、私に暖かいコーヒーを淹れてくれる。
「ほら、熱いから火傷しないように気をつけろよ」
「ありがとうございます」
泰裕さんと過ごすテントの中は、とても暖かかった。
「キャンプって、意外と楽しいんですね」
「そうだろ? 意外といいものなんだよ」
「はい。 また来たいです」
「ああ、行こう。また一緒に」
私は寝袋に包まれながら、泰裕さんに「はい。行きましょう」と微笑んだ。
初めてのキャンプは波乱だらけだった。だけどいいこともたくさんあった。
両思いになって、キレイな星を見ることが出来て、幸せな日だった。
「さ、もう寝よう」
「はい。……おやすみなさい」
「おやすみ」
ここから、私たち夫婦の新たな人生が始まった。
本当の夫婦になるためにーーー。