【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。


「じゃあ、後で買いに行こう」

「はい」

 しばらく外で星を眺めていると、泰裕さんはテントにブランケットを取りに行き、私の肩にブランケットを掛けてくれた。

「寒いだろ? 掛けておけよ。風邪ひかないように」

 私はブランケットを身体を包むと、「ありがとうございます」とお礼を伝えた。

「夜は冷える。暖かくしないとな」

「はい」

 泰裕さんは焚き火でお湯を沸かすと、私に暖かいコーヒーを淹れてくれる。

「ほら、熱いから火傷しないように気をつけろよ」

「ありがとうございます」

 泰裕さんと過ごすテントの中は、とても暖かかった。 

「キャンプって、意外と楽しいんですね」

「そうだろ? 意外といいものなんだよ」

「はい。 また来たいです」

「ああ、行こう。また一緒に」

 私は寝袋に包まれながら、泰裕さんに「はい。行きましょう」と微笑んだ。

 初めてのキャンプは波乱だらけだった。だけどいいこともたくさんあった。
 両思いになって、キレイな星を見ることが出来て、幸せな日だった。

「さ、もう寝よう」

「はい。……おやすみなさい」

「おやすみ」

 ここから、私たち夫婦の新たな人生が始まった。
 本当の夫婦になるためにーーー。
< 41 / 44 >

この作品をシェア

pagetop