【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。


 それから二年と言う月日が流れた。

「おはよう、花純」 

「おはよう、泰裕さん」

 その間に私たち夫婦は、愛の宝物を手に入れていた。
 そう、愛おしい我が子という大切な宝物を。

「おはよう。紗枝(さえ)、紗弥(さや)」

「「おはよお、ママ!パパ!」」

 私たちの元に産まれた子供たちは女の子の双子で、紗枝と紗弥と名付けた。
 この子たちは本当に双子だから似ていて、親である私たちでも見分けが付かずに間違えてしまうくらい、似ている。
 でも性格は少しだけ違うから、最近は段々と二人の見分け方が分かってきた。

「紗枝、イチゴジャムとマーマレードどっち食べる?」

「イチゴッ!」

「紗弥は?」

「イチゴッ!」

 やっぱり二人は、双子だ。選ぶものも同じだ。
 そこが可愛いんだけど。

「はい。じゃあイチゴジャム塗るよ〜」

「さえもやる!」

「さやもやる!」

「はいはい。じゃあ一緒にやろうね」

 二人は本当に可愛い。まるで天使だ。

「泰裕さん、お仕事は?」

「いっけね! もう行かねぇと」

 私たちの朝はとても忙しくて、なんだか慌ただしい。

「パパ〜バイバイ!」

「パパ〜バイバイ!」

「おう。行ってくるな」
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