【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。
泰裕さんはスーツに着替え、仕事へと出掛ける。 泰裕さんは私と結婚してから、お父様には会ってなかったらしい。
結婚したという報告もしたらしいけど、実際には口頭での報告だったらしい。
私がお父様にも会いたいと言ったことがあったけど、泰裕さんはそれを拒否していたから。
その時は、会わせてくれないのはなぜなのか分からなかった。
だけど二人を妊娠したと知ってから、泰裕さんはその理由を教えてくれた。
泰裕さんの家は代々老舗旅館やホテルを経営していて、泰裕さんは元々お父様の跡を継ぐつもりはなかったとのことだった。
泰裕さんのお父様は、本当の父親ではないらしく、泰裕さんのお母様がお父様と再婚した時、義理の父親になったとのことだった。
それ以来、お父様とは距離を置いていたとのことだった。 だからお父様から結婚の話をされた時も、それを断るために私にプロポーズしたと話した。
父親の決めた相手と結婚したら、父親の跡を継ぐことになるだろうと、そう思っていたらしい。
だけど紗枝と紗弥が産まれてから、泰裕さんは人が変わったように仕事に熱が入っていた。
お父様の跡を継ぐと決めた泰裕さんは、お父様の元で一生懸命修行をしている。
いい旅館を作るために。