総長さんは慰めたい。(短)
ガリッ
「いた!」
なんとまぁ、ついていない日。
私が見た光る物は、コンタクトではなくてガラスの破片だった。
「おい何やってんだよ!ヤケになんじゃねぇ!自分を傷つけたって仕方ねーだろ!」
「(誰もしてないよ!)」
申し訳程度にしか出ていない血を見て、どうやったら自傷していると思っているのだろう、この人は……。
私の周りで蚊みたいにうるさく喋る赤髪。「いいか、そんな事をする前に俺に何でも話せ」とか、訳のわからない事を言い始めた。
「今日は特別に敵討ちを手伝ってやるよ」
「は?敵討ち?誰の?」
「なんだお前、喋れんのか」
今までほぼ寡黙を貫いていた私が、急に電池交換されたおもちゃみたいに口を開いたのを見て、どうやらビックリしたらしい赤髪。
「敵討ちっつったら敵討ちだ」とヤンキー座りをした。