俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「そんなにあからさまに嫌な顔をしなくてもいいじゃないですか。もしかして、立花さん、私のことを旭さんから聞いてました? あ、立花さんじゃなかったですね。今は、瀬名夏香さんでしたっけ?」

大きく目を見開いた。

動揺する私を見て、どこか楽しげに微笑む彼女の顔を見ていられなくて目を逸らす。

旭さんと結婚したことは両親と一部の会社の人、そして、ごく親しい互いの友人にしか伝えていない。

どうして彼女がそのことを知ってるの?

旭さんにとって彼女はごく親しい友人ということなのだろうか。

「あの……城戸さんは旭さんとどういったご関係なのでしょうか?」

声が震える。

だけど、そう聞かずにはいられなかった。

「婚約者です」

「こ、婚約者?」

予想外の返答に思わず声が上擦る。
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