俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「……っ」

考える間もなく唇を塞がれ、彼の舌先が口内に侵入してきて私の舌を絡めとる。それと同時に服の中に彼の指先が伸びてきて、触れられた部分が熱に浸食されていく。

「……んっ……旭さん、病み上がりなんですから。ダメ……です」

「夏香を抱きたい」

「今日は……安静にしてくださ……あっ……」

「ずっと夏香に触れるのを我慢したんだ。止められねぇよ」

いくら説得を試みても、彼は愛撫の手を緩めない。

「こうやって夏香に触れることが一番、俺にとっての薬になるんだ」

それどころか私の弱い場所ばかり攻めてくる。

「……ダメです」

「ダメだなんてどの口が言ってんだ。こんなにも濡れてんのに」

脚の間に置かれた手が敏感な部分を何度もなぞる。そのうちにあふれ出した蜜が太ももを伝っていく。しばらくこういうことがなかったせいか、今日はいつも以上に身体が敏感な気がする。

旭さんが言うようにきっと、私も本当は旭さんを求めているのだと思う。

それでも、今日は。

今日だけは。

旭さんの身体が心配だから安静にしてほしくて、一握りの理性をかざし必死に抵抗する。
< 136 / 150 >

この作品をシェア

pagetop