俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「夏香、すげーきれいだ」

旭さんのそのひと言がうれしくて自然と頬が緩んだ。

「ありがとうございます。旭さんもタキシード姿、とてもお似合いです」

「だろ? 惚れ直したか?」

やはり自信家なところが旭さんらしい。

「はい」

「こんなに綺麗な花嫁を独り占めできる俺は、世界一幸せ者だな」

周りにスタッフさんがいるというのに恥ずかしげもなくそう言って、私の腰に手を回す旭さんにはびっくりだ。

「ち、ちょっと旭さん!」

「こんくらい海外では普通だろ」

確かに海外のカップルは周りにひとがいようが、ハグとかキスとかしてる感じはするけど。

それに慣れているからなのか、周りのスタッフの方も動揺することもなく、やさしい笑みで私たちを見守ってくれている気がする。

それから少しして、サロンの前のビーチで写真を何ポーズか撮ってからリムジンに乗りこみ、海沿いにあるチャペルに向かった。
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