俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
***
「終わった~!!」
時刻は二十一時を回っていた。長瀬課長に頼まれた商談用の資料を作り終え、最終チェックをして席から立ち上がる。
シーンと静まり返ったオフィス。周りには誰もいない。
この時間にもなると、社内に残っているのは数人しかいないだろう。
私もそろそろ帰ろうかな。
部屋の電気を消してドアに向かい廊下に出た。そして、エレベーターに乗ろうと歩き出したそのときだった。
「こんな時間まで残業? お疲れ様」
横から男性の声が届いてそちらを向いた。
「あさ……瀬名課長、お疲れ様です」
思わず旭さんなんて言いそうになってしまった。
声をかけてきたのは旭さんだった。向けられた視線に耐えられなくてうつむく。
どうやら彼もこの時間まで残業していたらしいが、ここで鉢合わせをするなんて予想外だった。
思わぬ形で彼にあのときのお礼を言うチャンスが訪れたけれど、極度の緊張から言葉を絞り出せずにいる。
「終わった~!!」
時刻は二十一時を回っていた。長瀬課長に頼まれた商談用の資料を作り終え、最終チェックをして席から立ち上がる。
シーンと静まり返ったオフィス。周りには誰もいない。
この時間にもなると、社内に残っているのは数人しかいないだろう。
私もそろそろ帰ろうかな。
部屋の電気を消してドアに向かい廊下に出た。そして、エレベーターに乗ろうと歩き出したそのときだった。
「こんな時間まで残業? お疲れ様」
横から男性の声が届いてそちらを向いた。
「あさ……瀬名課長、お疲れ様です」
思わず旭さんなんて言いそうになってしまった。
声をかけてきたのは旭さんだった。向けられた視線に耐えられなくてうつむく。
どうやら彼もこの時間まで残業していたらしいが、ここで鉢合わせをするなんて予想外だった。
思わぬ形で彼にあのときのお礼を言うチャンスが訪れたけれど、極度の緊張から言葉を絞り出せずにいる。