俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
握られた手を離し足早にエレベーターに向かい出すと、なぜか旭さんも私の後を追ってきていろいろ事情を聞いてきた。

「今から向かうってどこの病院?」

「長野の病院です」

「長野って……終電もうないだろ。どうやって行く気だよ」

「ひとまずタクシーで向かい……」

「ついてこい」

次の瞬間、私の手を引いて旭さんが歩き出した。

「ついてこいって、どこにですか?」

「俺が車で送ってく」

「そんなことまで甘えるわけにはいきません」

「一刻を争う事態なんだろ。体裁だの気にしてる場合か? 俺がいいって言ってるんだから、素直に甘えろよ。行くぞ」
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