俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
軽く挨拶をしてから母の顔を見に三人で病室に向かった。旭さんは私たち姉弟に気を遣ってくれたみたいで、病室の外で待ってくれている。
以前、会ったときよりもやせ細っているように見える母の顔を見ていたら、視界が滲んだ。
口ではいつも大丈夫だと母は言っているけれど、朝から晩まで働き詰めでかなり無理をしているに違いない。
「あのさ……」
隣の丸椅子に座る颯が口を開いた。
「どうしたの?」
「俺、大学辞めて働こうと思ってる」
まさかの颯の言葉に大きく目を見開いた。
「な、なに言ってるの? お医者さんになる夢はどうするの?」
颯は今、実家近くの国立大学の医学部に通っている。父の死をきっかけに颯は医師を目指すようになり、その夢を母も私も応援してきた。
颯が今までどれだけ血の滲むような努力をしてきたか私は知っている。
以前、会ったときよりもやせ細っているように見える母の顔を見ていたら、視界が滲んだ。
口ではいつも大丈夫だと母は言っているけれど、朝から晩まで働き詰めでかなり無理をしているに違いない。
「あのさ……」
隣の丸椅子に座る颯が口を開いた。
「どうしたの?」
「俺、大学辞めて働こうと思ってる」
まさかの颯の言葉に大きく目を見開いた。
「な、なに言ってるの? お医者さんになる夢はどうするの?」
颯は今、実家近くの国立大学の医学部に通っている。父の死をきっかけに颯は医師を目指すようになり、その夢を母も私も応援してきた。
颯が今までどれだけ血の滲むような努力をしてきたか私は知っている。