俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる～契約結婚だと思っていたのは私だけですか？～

そして、話すうちにもっと夏香のことが知りたいと思った。

時折見せる夏香の笑顔がまぶしくて、また笑ってほしくていろいろ冗談を言ってからかったり困らせてみたりもした。

その度にあきれ顔をしながらも俺の話に付き合ってくれた優しい夏香。夏香と会うことが俺の楽しみになり、いつの間にか大きな存在になっていた。

だから、あのとき公園で泣く彼女を見てほおっておくことなんかできなかったし、力になるつもりでいた。

だけど、次会う約束をしたにも関わらず彼女が俺の前に姿を現すことはなくて、そのときに初めて俺は夏香に特別な感情を抱いていたことを知った。

でも、連絡先も知らなかったし気持ちを伝える術がなくて時が過ぎていった。

そんな彼女との再会は突然嵐のようにやってきて。

一生懸命に平静を装っていたけれど、俺がどんなに心を躍らせていたか夏香はきっと知らないだろう。

神様がくれたこのチャンス。今度こそ俺は逃さねぇよ。

夏香がどれだけ拒んでも、俺は。

この十年分の愛をおまえに捧げる。

覚悟しとけよ。

もう二度と夏香のことを離す気はないから。