俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「なぁ、お礼忘れてないよな?」
ん? お礼?
颯から電話が来る直前のことを思い出した。
そういえば、連絡先を教えろだの、食事に一緒に行くだの言われてたっけ。
「だから食事は……」
「今日、十九時からレストラン予約しといたから」
「は? 私、行くなんて一言も言ってないです!」
「言っとくけど、夏香に拒否権はないからな。もしすっぽかしたら次は夏香が逃げないように、定時後すぐにおまえの席まで迎えに行って、そのままお姫様抱っこでもして連れてくから」
「そんなこと絶対にやめてください! 変な噂が立つじゃないですか」
全女子社員を敵に回すなんて、想像するだけで恐怖しかない。
「俺は夏香となら、噂が立っても全然かまわないけど」
どうしてこの人は、こんな思わせぶりなことをさらりと言っちゃうんだろう。
からかわれているだけだと分かっていても、胸がドキドキして動揺せずにいられない自分が悔しい。
「これ俺の連絡先。仕事終わったら連絡しろ。おまえが指定した場所まで、車で迎えに行くから」
戸惑う私の耳にどこか楽しそうな旭さんの声が届いた。
ん? お礼?
颯から電話が来る直前のことを思い出した。
そういえば、連絡先を教えろだの、食事に一緒に行くだの言われてたっけ。
「だから食事は……」
「今日、十九時からレストラン予約しといたから」
「は? 私、行くなんて一言も言ってないです!」
「言っとくけど、夏香に拒否権はないからな。もしすっぽかしたら次は夏香が逃げないように、定時後すぐにおまえの席まで迎えに行って、そのままお姫様抱っこでもして連れてくから」
「そんなこと絶対にやめてください! 変な噂が立つじゃないですか」
全女子社員を敵に回すなんて、想像するだけで恐怖しかない。
「俺は夏香となら、噂が立っても全然かまわないけど」
どうしてこの人は、こんな思わせぶりなことをさらりと言っちゃうんだろう。
からかわれているだけだと分かっていても、胸がドキドキして動揺せずにいられない自分が悔しい。
「これ俺の連絡先。仕事終わったら連絡しろ。おまえが指定した場所まで、車で迎えに行くから」
戸惑う私の耳にどこか楽しそうな旭さんの声が届いた。