俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
その日は電車に乗るのもしんどくて、タクシーでマンションに帰宅した。

どうやら旭さんはまだ帰ってないらしい。

そういえば、今日は会食があると言っていたことを思い出した。

家に帰ってすぐに熱を測ってみれば、三十八度ちかくあった。

そりゃ具合が悪いはずだ。

人間不思議なもので熱があると分かったその瞬間、余計に身体がだるくなり目に入ったリビングのソファーに寝転んだ。

ダメだ。

旭さんが帰ってくるまで起きて待っていようと思っていたけど、しんどくて無理そう。

先に部屋で休ませてもらおう。

***

それからどれくらい時間が流れただろうか。

猛烈な喉の渇きに襲われてゆっくりと目を開けた。

あれ?

私、いつの間にか寝てしまっていたらしい。

ゆっくりと身体を起こすと、そこは自室のベッドの上だった。

水枕があって、おでこには熱さましが貼ってあって驚く。

確かソファーに寝転んで……ってところまでしか記憶がない。

てか、もしかして旭さんが熱さましを貼ってくれたのかな?

旭さん、帰ってきてるのかも。

今、何時だろう?

リビングの様子を窺おうと、ベッドから立ち上がろうとしてそのとき。
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