俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる～契約結婚だと思っていたのは私だけですか？～

「これ……買ってきてくださったんですか？」

「まぁな。さっきコンビニに行って来た。他に経口補水液とかアイスとか……冷たい麺もあるから食べられそうになったら言ってくれ」

仕事帰りで疲れているだろうに、こんな風に気遣いを見せてくれる旭さんの優しさがうれしくて自然と頬が緩んだ。

ペットボトルを受け取り身体が欲するままに水を飲み込む。すると、頭痛が少しだけよくなった気がした。

「ゼリー、食べるか？」

「はい」

「なら今日は特別に俺が食わせてやる」

そう言ってゼリーのカップからスプーンで一口掬い、私の口元に差し出してきた。

胸がなぜかドキドキする。

照れながらもゼリーを口にいれた。

「うまいか？」

「はい」

身体はしんどいのに、心はなぜか穏やかで安心感に包まれている。

きっとこれは旭さんのおかげなんだと思う。彼は普段は意地悪だけど、私が弱ってるときはいつもこうやって支えてくれるし優しい。

私はその優しさに甘えてばかりだ。