俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「旭さん、やめて。どうしていきなり……こんなこと」

解放した唇から聞こえた困惑の声。

彼女の顔を見ようともしないで首筋から鎖骨に舌を這わせる。

「夫婦なんだから俺がこういうの求めるのって普通じゃないの?」

「……っ……んっ……」

本当は困らせたくなんかないし、誰よりも優しく接してやりたい。

俺たちは法律上、夫婦になったが、夏香の気持ちが俺にちゃんと向くまでこういうことはしないと心に決めていた。

だけど、今は……。

他の男のことなんか考えられないほどに、めちゃくちゃにしたい。

俺だけを見て、俺だけの夏香でいてほしい。

ブラウスをたくしあげ、彼女の胸に顔を埋める。

揉みしだきながら中央の膨らみを指の腹で捏ね、口に含めば彼女が腰をくねらせながら甘い声を漏らす。

一瞬、彼女が俺のことを受け入れているのだと錯覚を起こしそうになるが、いまだに必死に俺の肩を押して抵抗を続けているのを実感すると胸が苦しくなった。

「旭さん、怖いです……」

次の瞬間、上から落ちてきた温かい雫が俺の頬を掠めた。
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