俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
そんな陽翔にそう言われれば、陳腐な言い訳をする気にもならない。

カッとなってひどいことを言って家を飛び出してきてしまったが、冷静になって思うことは、夏香を傷つけてしまったことへの後悔と、失いたくないという気持ちだ。

あんなひどいことをしてしまったが、チャンスをもらえるならば夏香ともう一度向き合いたい。

彼女の笑顔が見たい。

「陽翔、ごめん。俺、やっぱり家に戻るわ」

「ああ。それがいい。早く仲直りしろよ」

陽翔が俺の背中をポンポンと叩き、送り出してくれた。
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